少年院でラグビー講座

2011年11月9日 茨城県の少年院「水府学院」にてラグビー講座を開講

2011年11月9日 茨城県の少年院「水府学院」において、茨城県水戸生涯学習センターの生涯学習移動講座「Let’s enjoy ラグビー!」が開講され、TKM7からは上田昭夫GM、花岡伸明HC、望月麻紀AT、清水良介コーチの4名が講師として招聘されました。

概要

日時: 2011年11月9日(水) 13:00~15:15
場所: 水府学院グラウンド
参加者: 約70名
講座の目的: ラグビーの基本を学ぶことにより、周囲と助け合って生活することの大切さやスポーツの楽しさを理解すること

ラグビーの精神をよく表わす言葉に「One for all,all for one」があります。これは、一人は全てのためにあり、全ては一人のためにあるという意味ですが、チームのために身を挺してボールを活かすというラグビーの精神は、決してフィールドの中にだけ活かされるものではありません。多くの専門職を必要とする医療現場、医療チーム、病院経営にもそのまま当てはまるものだと考えています。
また「水府学院」の少年たちが出院後、社会に復帰する際にも、この「One for all,all for one」の姿勢が必要になると考えます。利己的な心を改め、「一人は社会のために」という心のあり方こそが、彼らを社会復帰へと導いてくれることでしょう。

上田GMのコメント

私たちは医療法人として患者様に奉仕する立場にあり、TKM7が作られた理由の一つに「積極的な社会貢献」が挙げられます。
柏堤会が実践している「One for all,all for one」という姿勢が、今回は患者さんから、少年院の子どもたちに向けられたということです。対象は変わりますが、ただ形を変えただけで物事の本質に違いはないと考えています。この「One for all,all for one」の精神は、少年たちが社会に復帰するためにも必要な考え方です。我々TKM7の講師陣はそれを伝える役だと思っています。

花岡HCのコメント

なかなか思うようなコミュニケーションが取れない生活だからなのか、最初はとても表情が硬かった少年たちですが、ボール繋ぎ、コミュニケーションドリルが始まると表情が和らぎ、ボールを手渡したり、右!とか左!とか、どこにボールを投げてほしいかなど、自分の意志を相手に伝えることにより、協力して一つのゴールに向かえば上手く出来るんだということが、短い時間の中ですが、少しでも感じてくれたかなと思っています。
ラグビーという競技が持っている特性は、彼らに対してもっと何か出来るんじゃないかという印象を持ちました。

望月ATのコメント

とても表情が硬く、最初は我々や職員の目を気にしているようにも見えました。だからこちらもどうして良いかわからなかったけれど、始まってからは真面目に積極的に取り組んでくれて、彼らの態度が明るく変わっていきました。ごく普通の少年たちの表情に変わっていったと思います。
彼らは限られた時間の中で真摯に取り組もうとしていましたし、その時間を集中しようという姿勢も見えました。彼らはここに入る時は加害者でも、幼い頃は被害者だった子が多く、生活環境の中で発散する術がなかったのだと思います。ですが、今回、出院した後にラグビーという発散する一つの選択肢を覚えてくれるキッカケを作ることができたとしたら、少しは貢献できたんじゃないかと思います。
私はトレーナーという立場で関わらせていただいていました。トレーナーという仕事を高校生レベルの子たちは知らないだろうし、彼らはもっと知らないと思うんです。少しでも興味を持ってくれて、彼らが進む道の選択肢を増やしてあげられたとしたら、私が参加した意味があるというものです。

清水コーチのコメント

最初に見た彼らとラグビーをやり始めた後と、明らかな変化がありましたね。表情が変わり、声の出し方が変わり、目が変わりました。最初は警戒されているような眼差しでしたからね、それが最後に握手をした時には「ありがとうございました」って言う目は違いましたよ。
ラグビーは大人数でやる競技で一人では出来ません。隣の人と声を掛け合ったり、隣の人と触れ合ったりしながら、みんなでやっていくスポーツで、自分がやらなければ仲間に迷惑を掛ける。自分がやることによって周りに変化が起こる。それがラグビーです。その中に責任感が生まれたりするんです。
行く前は少年院ってどんなところだろうと不安ばかりでしたが、行く前と後では自分の価値観のようなものが変わったように思います。もしかするとラグビーをやってきた中で一番やっていて良かったと実感した日だったかもしれません。
たった2時間ですが、半歩でも一歩でも彼らが前進するキッカケのようなものを感じたり、掴んでくれたらと思います。